獣医師・動物医療 グリーフ ケア アドバイサー 阿部美奈子先生のペットロス・ペットライフ・サポート




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阿部先生の被災地でのグリーフケア レポート<7月27日~31日>


宮城県仙台・石巻に行ってきました。

仙台市は沿岸部地域は津波によって大きな被害を受け、現在もまだ沿岸部の復興については、たくさんの課題を抱えている状況です。

石巻市は経済の心臓部への被害が大きく人々は不安や苦しみなど想像をはるかに超える心の痛みを抱え、ストレスの限界状態が広がっています。

そのような状況下であべ動物病院ではご自分たち自身も被災しグリーフを抱えながらも、来院される飼い主の皆様の気持ちを受け止め、診療を続けていらっしゃいました。

私にできることはなにか、微力ながら活動し、今後も考え続けていきたいと思います。

仙台市内は余震は続いている状況下ですが、市街地はできるかぎり日常を取り戻し暮らしを続けている人々の姿がありました。

それぞれが大きなグリーフを抱えていらっしゃいます。
そのグリーフを地域の人々がみなで共有することが大きな支えになっているのだと感じます。


今回、青葉区アセンズ動物病院、長町ペット同伴可仮設住宅に伺い、
ペットと暮らす、たくさんの人々と出会いました。



津波で突然、お住まいを失われペットと一緒に仮設住宅に暮らしていらっしゃいます。

ペットや飼い主のみなさまの笑顔に触れ、ペット同伴可仮設住宅の存在の必要性を再確認してきました。

それまで個々に違う環境でペットと暮らしてこられたのです。お住まいのみなさまで意見の違いや気持ちの行き違いなど難しい点もあったそうです。


斎藤さんが代表を務めますNPOエーキューブのみなさまの活動や、多くの動物を愛する方々の温かい支援に心より深く感謝いたします。

ポスターやチラシを作成・配布、話し合いや説明会の開催など、ともに心地よく暮らしていくために尽力される姿がありました。

アセンズ動物病院での待合室グリーフケア


初めて会う私に心を開いてくださいましたことは本当に大きな喜びでした。

それぞれに抱えていらっしゃる不安や恐怖、迷いや戸惑いなどたくさんの飼い主さまが、胸の奥に抱えるグリーフをお話しくださいました。

「先生に気持ちを話せてなにかスーッとしました。」
「この子が先生を連れてきてくれたんだと思う。」
「先生のお話を聞いて元気が出てきました。」

飼い主さまからいただいたこのような温かいお言葉は今もなお胸に響いています。
この出会いを大切に今回で終わることなく今後も東北地方でのグリーフケアを続けていきたいと思っています。

大切な宝物を突然失った悲しみや恐怖は簡単に癒えることはありません

このようなときにペットは大きな心の支えです。

「この子が生きていてくれて良かった。」
「この子たちと今暮らせている自分はなんて幸運なんだろう。」
「不安な生活だけれどできるかぎりこの子たちだけは守っていきたい」


待合室では、飼い主さまからこのような声がたくさん聞かれました。
震災の傷みを抱えながらもペットへの愛着や絆はさらに強くなっていかれるでしょう。


お1人で溢れてくる想いを抱えながら必死にがんばり続けていく結果、ペットの看病が、非常に苦しく辛い体験になります。

またペットと一緒に暮らす時間そのものが、知らず知らずのうちに自分を追い詰めてしまうことで、重たい空気を伴う時間となってしまいます。

どのような気持ちも1人で抱えないこと。


自分の気持ちをありのままに打ち明けられる人を1人でも持っていること。


ペットにとって自分が一番安全な存在だと自信を持つこと。

そしてペットは大好きな人の今までどおりの笑顔や優しい声でなにより幸せでいられること。
グリーフケアを通して私も応援メッセージを伝え続けたいと思っています。


アセンズ動物病院の中尾院長をはじめスタッフのみなさまと短い時間でしたが共に、診療ができましたことは大きな幸せでした。

10月には再び待合室グリーフケアで伺いたいと思っています。
飼い主のみなさまへのご案内ポスターも早速作成し貼付してくださいました。