ペットと人のハッピーライフを 出会いからエンディングまで
獣医師・ 動物医療 グリーフ ケア アドバイサー
阿部美奈子先生の合同会社Always

  

 

グリーフケアを受けられたご家族のご紹介〜仙台編(1)

愛するペットと様々な形で向き合っているご家族の方々のご紹介です。


飼い主Eさんより届いたメールのご紹介

Eさん サノスケくん 柴 5歳 

  「今、手術から1ヶ月が過ぎて慣れた散歩道なら一緒に走る事も出来るようになりました。
  動物って凄いですね。
  今は、大好きなボール遊び(サッカー)がなんとかして出来ないかと
  鈴の入ったサッカーボールを探しているところです。親バカですね(笑)
  あの時、あそこで、先生とお会いしてお話しできて本当に良かった・・・
  前向きに、強くなれた気がします。」

緑内障の発症で3月20日に残っていた左側の眼球摘出。
両眼を失うことに飼い主Eさんの戸惑いはどんなにか大きかったか。
仙台でサノスケくんがそんなEさんに会わせてくれました。

あれから3か月・・・

再び訪れた仙台で笑顔いっぱいのEさんとサノスケくんが会いに来てくれました。
視力を失ったとは思えないサノスケくんの行動。
うれしそうに見守るEさん。

太い絆でしっかり結ばれています!




愛犬のターミナル期と家族の力

Oさん はるみちゃん テリアmix 18歳6か月

再び仙台A動物病院にて再会。
待合室で初めてハァちゃんを抱っこしているOさんに出会ったのは3月です。
Oさんは小学校6年の時にハァちゃんと出会い、気がつくとトリマーの道へ。
今は自分に変わりハァちゃんの介護をがんばっている母親の健康を心配。
夜のトイレや腰を支えながらの散歩、食事の世話、床ずれ予防など
ハァちゃん中心の生活の中では大きなエネルギーを費やします。

今、深呼吸していただくこと。
そして自分自身のストレスを上手に軽くしていくことが大切です。



家族が一致団結し、その深い愛情に包まれてハァちゃんは
「寿命」を笑顔でまっすぐ生き抜いています。




愛猫の声に耳をかたむけて・・・

Mさん プチくん 猫mix 15歳 男の子

プチくんとMさんに初めて会ったのは震災後の7月。
心肥大と肺水腫で苦しい表情のプチくん、
不安で胸がいっぱいのMさんと待合室で出会いました。

プチクくんは15歳の男の子。
とっても穏やかで人の空気に心地よくあわせてくれる子。
だから今までもMさんの苦しい時、悲しい時いつも支えてくれました。

「プチのために自分はどうしたら良いのか・・・」
「プチの苦しみや痛みは絶対に取ってあげなければ・・・」

プチくんが押し入れに入ってしまうことも気がかりでした。
いろんな気持ちはプチくんを愛するゆえに出てきます。
そんなMさんの苦悩するお気持ちはMさんのいつもと違う表情から
プチくんにまっすぐ伝わっていきました。

日常と違う家の中は落ち着きません。
まずはいつもの安らかなお家にリセットです。

現在、プチくんは大好きなママと妹ももちゃん、弟ヤマトくんと共に
日常を穏やかに暮らしています。



プチくんの4か月後11月、今度は妹猫モモちゃんの足にしこりが見つかりました。
「手遅れにならないよう早く取った方が良いのでは・・・」
でも断脚という言葉を聞いて戸惑います。

心の中では天国へ旅立たれたご主人の闘病も重なりあいます、
「ももにとってどの方法が一番良いのだろうか・・」

さまざまな思い出が溢れ、出口が見えなくなりました。

大事なことはももちゃんからのメッセージに耳を傾けること。
「ママ、モモはがんばれるから大丈夫!」
そう聞こえたとき手術を決断できました。

術後、安全なホームで、ももちゃんは3脚になった今も、
ママとプチくん、ヤマトくんのそばで日常と変わらない生活を送っています。



<Mさんから届いたメールより>
  「モモのたくましさには、尊敬さえします。
  昨日はプチ達と一緒に日向ぼっこをすると、コタツから出て来たり
  今日は二階に行きたいと階段の下で力つき、抱いて連れて行きました。
  食はまだ細いですが、驚くほどの回復力です
  これからも何が待ち構えているか分かりませんが、
  美奈子先生からのアドバイスを心に留め、
  いつか別れの時は、沢山の有難うと、みんなに言えるように生活を楽しみます。」